株式会社エナジー311は「エネルギーの見える化」機器の貸出しで、お客さまと共にエネルギーの無駄を発掘、削減を実現する省エネルギー・サービス会社です。

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TEL.029-801-1827


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弊社代表・小野村のブログです。 仕事のこと、社会のこと、個人のこと、思うところを書かせて戴きます。

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いま、わたしたちに何ができるのか

【株式会社エナジー311】設立のご挨拶より

あの3月11日に、我が国のすべての国民に問われたエネルギー問題。
政府や電力会社の上から目線での支配的な電力供給。
エネルギーを供給者に委ねる依存的な消費者たるわたしたち国民。

気候変動が顕在化し、持続可能な地球環境の維持が危ぶまれている中、
そのような状況をもたらしているのは、人間のエゴ、飽くなき欲望の追及のように感じます。

2011年3月11日発生した未曾有の東日本大震災に伴う大津波、そして原発災害。
不幸な災害を機に、露わになったエネルギー需給の「支配と依存」の姿。
まだまだ未熟な人間の姿。

このエネルギー問題を教材として、為政者や電力会社頼りの姿勢から脱却し、
エネルギーの消費者が、自らエネルギー問題の解決に取り組むことを通して学ぶことによって、
あの日を機に、日本がより成熟した民主的な社会に生まれ変わることができましたと、
先に逝かれた人たちに報告できる日が来ることを夢見て、株式会社エナジー311を設立致しました。

「東日本大震災 いま、あなたに何ができるのか」
(多摩大学大学院・田坂広志教授)

「他者任せ」にしないということ

2011年3月11日の東日本大震災から、もうすぐ4年となります。

弊社も社名が示すように、この東日本大震災、原発事故を機に生まれました。

 

「政府や電力会社任せ」にしていた電力需給から、私たち消費者も当事者として能動的に関わってゆく社会へと、変わってゆくことに少しでも貢献したいと考え起業致しました。(「会社方針」の「代表ご挨拶」で詳しく書いています。)

 

そうして、お客様の光熱費削減のお手伝いをさせていただいているのですが、その中で、「業者任せ」「設備任せ」にすることで生まれる電気の無駄遣いとの出会いが良くあります。

 

今日は、その事例をひとつご紹介致します。

レーザー切断機の待機電力削減事例

上の3つのグラフは、ある金属加工工場での待機電力削減の事例です。
金属の板を切断するために、レーザー切断機を使用しますが、そのレーザー切断機は、左上のグラフにありますように、切断をしていない待機時でも17kWの待機電力を消費していました。
最新のレーザー切断機には、省エネ・モードがあって、待機時には自動的に低電力にするようになっていますので、お客様に提言し、お客様からレーザー切断機メーカーに省エネ・モードの適用を申し入れ、待機電力が右上のグラフに示すように5kWにできたことで、12kWの待機電力の低減が図れました。
改造費用は、50万円ほどかかったのですが、2万円/月の電気代削減となり、約2年間での投資回収ができた事例です。
ところが、レーザー切断機メーカーは、自社製品であるレーザー切断機本体の省エネ化は図るのですが、お客様から供給される圧縮空気についてまでは気を払うことがなく、必要も無いタイミングでも圧縮空気が垂れ流しとなっており、右下のグラフに示すように、コンプレッサーを含む補機電力が、常時25kWとなっています。
レーザー切断機が待機している時には、垂れ流されている圧縮空気は止めることができることが確認できましたが、レーザー切断機メーカーは、お客様側から供給される圧縮空気の省エネ化にまでは関心を向けません。
現在、圧縮空気の不使用時の垂れ流しを防止し、コンプレッサーの電力を低減することに、お客様と一緒に取り組んでいます。
こうした事例は、メーカーに「お任せ」では改善できない事例と言えます。
「政府や電力会社任せ」からの脱却を目指して始めたビジネスで、「業者任せ」「設備任せ」に起因する問題の解決に携わっていること、その意味を思い巡らす今日この頃です。

 

「電力見える化」の錯覚

弊社では、「電力見える化」で得られた実測データを元に、光熱費削減のご提案をしております。

世の中には、「電力見える化」機器を販売するメーカーが数多くありますが、それらのメーカーも、機器を購入するお客様も、ある「錯覚」を持っておられる方が多くいらっしゃるのではないかと感じております。

その「錯覚」に相通じると感じました記述を、多摩大学大学院の田坂広志教授の「なぜ日本企業では情報共有が進まないのか」の中で見つけましたので、ご紹介させて戴きます。

(引用)

私が申し上げたいのは、これから(注:この本は1999年発刊)の企業情報化の嵐のなかで生き残れないのは、「パソコンができないマネージャー」ではなく、「豊かな知識や深い智恵を持たないマネージャー」が生き残れないということなのです。

そもそも、私が、「パソコンができないマネージャーは生き残れない」という議論を批判する理由は、こうした短絡的な議論が、多くのマネージャーのなかに、ある種の「錯覚」を生み出してしまうからなのです。

その「錯覚」とは、「パソコンができるようになれば生き残れる」という錯覚です。

(引用終わり)

「電力見える化」機器を販売するメーカーや、機器を購入するお客様が陥る「錯覚」とは、今流行の「電力見える化」機器を導入さえすれば、電力管理が強化される、何か有益な光熱費削減効果が得られるという「錯覚」です。

これから訪れるであろうデマンドレスポンスやスマートシティの世界についても、同様に思えます。 世の中では、しきりに、そのシステムについては論じられますが、そこには人が不在のように感じます。

しかも、人と言いましても、単に情報技術や電力技術に長けたシステム・エンジニアがいれば、夢のような電力システムが産まれるということではなくて、対象となる現場に関しての豊かな経験や知識、深い智恵を持っている人が介在しないと機能しないであろうということです。

1)「電力見える化」機器を販売するメーカーには情報技術に長けた技術者がいます。

2)省エネ診断を生業とする人たちは、省エネ技術に長けています。

3)お客様の現場には、その現場特有の技術に関する豊かな経験や知識、深い智恵を持った技術者がいます。

「電力見える化」機器を使って、光熱費を削減しようとする時、この3者の誰が欠けても、上手く機能するものではないだろうと考えます。

弊社は、この3つ全てのトップランナーというわけではございませんが、この3つをあるレベルでハンドリングし、「電力見える化」で得られた実測データを元に、お客様にとってコストパフォーマンスの高い光熱費削減施策をご提案致します。

1)「電力見える化」機器の運用技術

2)省エネ技術者としての知識や経験

3)製造現場での長年の実務経験で得られたノウハウ

この特長を活かして、必ずしもお客様にとってコストパフォーマンスが高いとは限らない省エネ設備を販売するサービスとは異なる、お客様にとってのベストチョイスの省エネ施策のご提案でお客様の光熱費削減に寄与したいと考えております。

そして、この事業を通して、これからやってくるデマンドレスポンスやスマートシティの社会が、無機質な情報システムや電力システムだけが広まる社会ではなく、現場の豊かな経験や知識、深い智恵が活かされる社会となるための一助になれればと考えております。

 

引用書籍 「なぜ日本企業では情報共有が進まないのか」(田坂広志 著)

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%81%9C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%A7%E3%81%AF%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%81%8C%E9%80%B2%E3%81%BE%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B%E2%80%95%E3%83%8A%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC7%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%BF%83%E5%BE%97-%E7%94%B0%E5%9D%82-%E5%BA%83%E5%BF%97/dp/4492553401

 

 

「温暖化対策フェア2014」に出展させて戴きました

2014年12月17日と18日の両日、大田区産業プラザで開催されました関東経済産業局とESCO推進協議会共催の「温暖化対策フェア2014」( http://mind-s.jp/fair2014/ )に出展させて戴きました。

初日、来場者の皆さんが、多くのチラシを抱えて大変そうだったので、2日目にビニル袋を用意しました。

ところが、皆さん持っていってくれません。

その後、家内に10分間ほど留守番をしてもらい、戻ってくると、「多くの皆さん、持っていったよ」と。

 

ブースに近寄って、サービスの説明をされるのが嫌なのかな?
わたくしが、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出しているのかな?

家内の分析は、「貴方の顔が怖くて、近づかなかったのよ。」との結論に。

 

いろいろと開催の準備をして下さった主催者の皆さま、事務局の皆さま、関係者の皆さまご来場の皆さま、有り難うございました。

温暖化対策フェア

北穂高滝谷出合にひとり立つこと

昨日は、久しぶりに昔所属した山岳会の大先輩と飲む機会を頂戴致しました。

67歳になる先輩は、先週、北穂高岳岐阜側の滝谷出合から滝谷を遡行したとのこと。

「俺、滝谷遡行は初めてなんだよな。」… K2やカンチェンジュンガの無酸素登頂も果たしている先輩も意外に行っていない国内ルートがあるよう。

「いつも攀じっていた『滝谷』って滝谷全体の十分の一くらいだったんだよな。」と。

そう、私たちが滝谷に入る時、北穂高岳長野側の涸沢や前穂高岳からの連続登攀で、稜線から滝谷に一度降りて、攀じり直していたものです。

そして先輩 「ひとりで滝谷出合からの遡行をして、誰一人いない山にひとりで正対して、山のでかさ、懐の深さを改めて感じた。」と。

大会社にサラリーマンとして32年間勤め、一生懸命やったつもりだけれど、会社の事業のほんの一部分を担ってきた自分。そして、ひとりで会社を始め、全ての事に対峙している自分。

今の自分の姿と、滝谷出合にひとり立つ先輩の姿が重なりあった一瞬でありました。