原子力規制委員会では九州電力・川内原発の再稼働に関するパブリックコメントを募っていて、本日が、その期限日となっています。
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html
このパブコメのタイトルが気になります。
「九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について」
そして、「科学的・技術的判断と無関係な場合には、意見として取り扱わないことがあります。」と釘を刺しています。川内原発を取り巻く火山からのリスクや事故時の避難に対する住民の不安から発せられる意見を排除する意図さえも感じてしまいます。
原発の安全性とは、「科学的・技術的安全性」だけなのでしょうか?
多摩大学大学院教授で福島第一原発事故後に内閣官房参与として官邸に入った田坂広志教授が、2011年10月14日に日本記者クラブで語った「人的、組織的、制度的、文化的な安全性」という言葉が、重く迫ってきます。( https://www.youtube.com/watch?v=bMRD3p2nuuI の20分付近より)
3年経った今でも、この言葉が理解されずに、「人的、組織的、制度的、文化的」側面からの安全性の掘り下げが全く不十分に見える政府や原子力規制委員会の下で、原発が再稼働されようとしていることに、大きな不安を感じてなりません。
原子力政策や原発産業を、方向転換が容易にできない 巨大船舶に喩えられた前・原子力委員会委員長代理・鈴木達治郎先生のスライドが目に浮かびます。→このURLの4枚目のスライド http://www.gepr.org/ja/contents/20131212-01/
こうしたことを思い巡らしますと、エネルギーに関わる仕事をしていて、無力感を感じることが多いですが、「微力でも無力ではない」との言葉に励まされ、この仕事を通して1mmでも良き社会を創ることに貢献できればと思っております。
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