一昨日より、平成26年度補正予算 地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金/最新モデル省エネルギー機器等導入支援事業(A類型)の公募が開始されました。
https://sii.or.jp/category_a_26r/shinsei/note.html
この補助金の特長は、最新モデル省エネルギー機器を導入しようとする事業者の申請に係る手間暇を低減するスキームが織り込まれていること。
従来の省エネルギーに関する補助金申請には、その省エネルギー効果を補助事業者自らが検証しなければならないという手間暇が付随していました。
それに対して、今回のスキームは、省エネルギー効果がある最新モデルと認定された機種であれば、補助事業者は、購入するだけで良いように組み立てられています。
申請者にとっては、手間暇が省けて便利なものでしょうし、このスキームを考えた方も利用者の立ち位置に立って構築したのであろうことが窺えるものと感じます。
しかしながら、この新しいスキームは、「思考停止と依存」を増長させるとともに、補助金に群がるシロアリを発生させるのではないかと懸念致します。
1.思考停止
エネルギーを賢く上手に使い、限られた地球資源を有効に使ってゆくということは、それに関わるひとりひとりの意識を高めることが大事なのではないでしょうか?ただお金を払って、手軽に結果的に少ないエネルギー消費の設備を導入したのでは、”今”の利益しか考えず、”将来”に対して思いを巡らすことができなくなってしまうように思えます。エネルギー効率の悪い旧来設備を高効率の最新モデルに置き換えることでのメリットは大きいですが、この課題に対して考えることをやめてしまうデメリットも、また大きいと感じます。
2.依存
最新モデル省エネルギー機器を導入するだけのスキーム。モノに依存することを増長するように思えます。コンピュータでの自動制御や最新技術が付加された最新モデルに依存することで、現場を見る目やスキルが失われてゆきます。今、モノからコトへの変換が求められている中、最新モデル省エネルギー機器を導入すれば良いという考え方を増長させるスキームは、本来進むべき方向から逆行しているように思えます。
3.シロアリの発生
一昨日、表題の説明会に行ってまいりました。
添付写真は、始まる40分前の写真で、このタイミングで1000人は入るであろう会場で、立ち見が出始めました。終って出てきたら、午後の部に並ぶ長蛇の列。その時点で400人とか。
省エネ設備を導入する事業者だけでなく、むしろ省エネ設備を売り込もうというメーカーも多いのでしょう。モノ売りを煽る補助金事業は考えものだと思いました。通常「6掛け、5掛け」で販売している製品を正規価格にして、補助金1/2をアピールして販売したら、導入者にとってのメリットは無くなって、メーカーのぼろ儲けに寄与する補助金になってしまう訳で、そこまで極端にはならなくても、メーカーが悪用することは、容易に想像できて、何だかなあ~?と思ってしまいます。
そう思いつつ写真を見ると・・・・・シロアリの群れ
補助金申請者の手間暇を軽減する試みは、善なる動機からのものとは思うのですが、手間暇を省くよう手取り足取りをすることは、申請事業者の思考停止と依存を増長させるとともに、補助金事業を利用して自社製品を売りつけようと群がるシロアリを発生させ、社会にとってマイナスの結果を生み出す危険性があるのでは?と、感じてなりませんでした。
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