今年に入ってから、複数の友人や先輩から「自社業務の知識やノウハウをマニュアル化することが大事」との助言を頂戴し、「それはそうなのだけど、難しいなあ~」と感じていました。
そうした事を思い巡らしている中で、昨日たまたま、メンターに相当する方との対話の中で、「事例」や「場面描写」の形であれば可能かもしれないと思いました。
<昨日の対話>
小野村:「データ分析による省エネのノウハウをソフトにして販売」良きアイデアを有り難うございます。
でも「定型化」ができないです。
省エネ対象設備は多種多様です(例えば、工業炉、冷凍機、コンプレッサー、ポンプ・・・)。
更に、計測データも多種多様なうえに、その設備の操業条件や環境などで、どのような変化をするかが判りません。
データ分析といいましても、現場に足を運んで対象設備の操業状態や環境を観察し、
系統図面や仕様書を読み込んだ上で、そのデータが適性であるか、改善の余地があるかを判断します。
一般的な理屈は、省エネのテキストに記されているのですが、記述できないこと、
100台あれば100通りの現象に対応することになります。
そういう訳で、「定型化したソフト」を作ることは難しいです。
そのノウハウを言葉で伝えることはできなくても、それぞれをどのように処理していったかの事例集として、
わたくしの体験知を伝える(ノウハウはこれですと伝えるというよりも、事例から読み取っていただく)ことはできるかもしれません。
メンター:なるほどですね! 医者と同じですね、少しずつ事例や知識が高まって学問としていける。
人の体も100にいれば、100通りですからね。
小野村: 医者との対比、とっても腑に落ちます。法律体系とも似ていると感じました。
「定型化できないのだけれど、事例を積み上げて文章化できないノウハウを伝える」というのは、
(日本は成文法ですが、)アメリカの判例法と似ていると感じました。
(以上、対話終わり)
最近読んだ田坂広志さんの新著「仕事の技法」( http://amzn.to/1OKIRjY )では、「深層対話の技法」について、いくつもの現場での場面を描きながら紹介しているのですが、こうした場面描写による伝え方こそが、「言葉で伝え難い体験知を伝える」技法なのかな?と、今回思いました。
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