地球温暖化対策として、環境省が「L2-Tech」(先導的(Leading)な低炭素技術(Low-carbon Technology))なるものを始めました。
http://www.env.go.jp/press/100809.html
「トップランナー」が、一般人が今後MUSTでクリアすべきレベルの基準とすれば、「L2-Tech」は、オリンピック選考基準のようなもの。
今、現場のニーズ調査が始まっていいますが、現場を知らない有識者や官僚が頭の中で考えた机上の空論の政策と感じます。…
温暖化防止のためには、単に省エネ性能の優れた設備を入れれば良いってもんじゃないだろうと思います。
例えば、断熱性能の低い建物で「トップランナー」のエアコンを導入しても、むなしい限り。
それでも、既に建ってしまっていて、そう簡単に断熱改修ができない住宅には、高性能のエアコンを入れるのも、全く意味がないという訳でもありません。
それでもまだ「トップランナー」は、一般家庭も巻き込んだものですので、単なる省エネ設備へのリプレースという手法も有り得るでしょうが、「L2-Tech」は、大企業の設備導入に狙いを付けて行われるようですので、尚更、的外れと感じています。
大企業の大規模な設備は、単に購入した設備単体で性能を発揮しているわけではありませんし、エネルギーの消費面でも、設備単体の省エネ性能がそのまま総合効率にリンクするわけではなく、企業のエンジニアリング力や創意工夫を凝らした改善によって、総合効率を向上させています。
例えば、発電効率50%の発電設備も、電気だけを使えば総合効率は50%のまま。しかし、捨てていた蒸気や温水を有効に活用すれば、その総合効率は80%にも90%にも高まります。
そして、そうした排熱利用などは、外部の設備メーカーやエンジニアリング会社だけで実現できるものではなくて、排熱の利用先を熟知している企業自身の知恵や経験があってこそ可能なこと。
それを、設備単体で「L2-Tech」などと定め、既存の設備を「L2-Tech」設備にリプレースしたら、どれだけのCO2削減に寄与するか?なんて調査をやっているのですから、現場を知らない有識者や官僚の空理空論と思えてなりません。
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