株式会社エナジー311は「エネルギーの見える化」機器の貸出しで、お客さまと共にエネルギーの無駄を発掘、削減を実現する省エネルギー・サービス会社です。

〒300-0043 茨城県土浦市中央1丁目11-17

TEL.029-801-1827


ブログ

「エネマネ事業者」制度への疑問

経済産業省の補助金のスキームの中に「エネマネ事業者(エネルギー・マネジメント・システム(以下、EMS)を取り扱う事業者)」というものがあります。

エネルギー・データを管理して適正なエネルギー管理を行なうことをサポートするための事業者です。
国は、EMSを普及させるために、登録された「エネマネ事業」からEMSを導入し、「エネマネ事業」を通して省エネ設備の導入する場合、省エネ設備導入のための補助金の補助率が通常は1/3のところが1/2にする優遇措置を設けています。

弊社は、「電力見える化」機器貸出しによる光熱費削減コンサルを生業としているのですから、EMSの有効性は身をもって理解していますし、このスキームが、EMSの普及を目指すものであるとは理解するのですが、以下の3点において、疑問を感じざるを得ません。

1) 補助金申請者は、本気でEMSを求めているのか?
2) 形ばかりのエネマネ事業者が生まれないか?
3) 導入されたEMSは、有効に活用されるのか?

このスキームでは、エネマネ事業者を活用すると、1/3の補助率が1/2へと上がるために、本当はEMSには関心がないけれど、設備の更新のためにエネマネ事業者を活用するというケースが出てきます。

そうしたケースでは、EMS自体には関心の薄い事業者に導入されたEMSが有効に活用される期待は小さいでしょう。
また、設備を売りたいがための形ばかりのエネマネ事業者が生まれることも危惧します。

EMSは、ただエネルギーの使用状況が見える仕組みがあるだけでは、この有効性を活かすことができず、エネルギーの使用状況を分析し、どのようにしたら賢い使い方ができるか?の具体的提案にまで進まないと、実効あるものとはなりません。
そして、そうした作業は、エネルギーの専門技術者がいない事業者自身では、なかなかできませんし、一方、手間暇かかることですので、どこまで踏み込んだサポートをエネマネ事業者がするのかが、EMSが有効に活きるかのポイントになると考えます。
この省エネ補助金のスキームを引いた目で見つめますと、「省エネ設備を導入する。EMSを導入する。」という「モノ」さえ投入すれば省エネが進むという思考の延長線上にあるのではないかと思います。
このエネマネ事業者を活用することでの省エネ設備導入補助金の補助率優遇措置の目的が、「モノ」に付随するお金に群がる設備メーカーを潤すとともに世の中にお金を回す経済刺激政策であるというなら兎も角、地球温暖化防止や資源活用の高効率化にあるのであれば、単に「モノ」(=省エネ設備)を導入して手っ取り早くやっつけてしまおうとする安易な思考からは、期待する効果は得られないのではないかと考えます。現場を見つめ、どこに無駄があるかを考え変えてゆく「コト」への思考に変わってゆくことが、遠回りではあるけれど、現場の力を育て、引いては、本来の目的に近づく道となるのだろうと考えます

実際にやってみなければ判らないこと

スマホを学校で使うのにWiFiを設備すればすぐ繋がると思っていたのが大失敗!
という奈良市立一条高等学校の藤原和博校長の記事を読みました。
生徒のスマホを禁止せず授業で積極的に活用

(専門家である)内田洋行も富士通も気づかなかった、実際にやってみなければ判らなかったということが成るほどと思いました。

「省エネ診断」が信用されないのも似たようなところがあります。
一般に行われている省エネ診断は、机上の計算での省エネ効果を提案しますが、実際に具現化するのには、設備性能の余裕度とのトレードオフや生産性への阻害の有無など、いろいろな要素が存在します。
ところが、そうした負の要素を考慮せずに机上の計算での省エネ効果だけを提示して帰ってしまうから、お客様には不満が残る。

現場で具現化する際に、どのような負の要素が存在して、それをどのように解決するのかというところを、お客様と一緒に解決することが省エネ診断者には求められていると思います。
内田洋行や富士通を省エネ診断者に、WiFi設備を省エネ設備にオーバーラップして読んでしまいました。

お金以外のリターン

鎌倉投信の新井和宏さんの「持続可能な資本主義」を読んでいます。
多くの学ぶ点と、金融の世界とは全く異なるのですが、自分の仕事に活かせる点を発見できました。

IMG_20170402_090016

これは!と思った処を3つ挙げますと、
①鎌倉投信は「リターン=お金」という定義を書き換えることで、現在のフロー重視(短期利益重視)の資本主義にかわる、新しいシステムをつくろうとしている。
②リターン=資産の形成×社会の形成×心の形成
自分が投じたお金が「いい会社」を通じて社会の役に立っている。そして「いい会社」が成長し、社会が豊かになれば、受益者の心も豊かになる。
③リッツ・カールトンの元日本支社長・高野登さんの言葉「ホスピタリティを定義しては駄目だよ。ホスピタリティを標準化するとただのサービスになってしまう。ホスピタリティは、一期一会なんだ」

弊社の省エネ・サービスは、お客様のエネルギー使用状況をリアルタイムモニタリングしながら、その無駄を削減するサービス。
お客様にご説明する際、事例はご説明できても、目の前のお客様の現場でどのようなメリットが得られるかのコミットができません。
まさに、一期一会なのです。

 
しかし、お客様にとっては理解できませんから、
「設備投資ゼロで約10%の光熱費削減」ができますとご説明してきました。
でも、お客様にしてみては、どんなことで10%削減できるのか?あるいはできないこともあるのか?また、設備投資ゼロでなく投資をしてでも削減メリットを40%欲しいとか?お客様の納得を得ることが難しいです。

実は弊社の省エネ・サービスでは、他の省エネ診断とは異なる次の3つのメリットがあるのですが、目に見えるメリットである「光熱費削減」だけをアピールして、残りの目に見えないメリット2つを丁寧にご説明することは有りませんでした。
1)その場で改善のアクション → 光熱費削減を即実現します
2)改善を通して設備の原理や機能を学ぶことができます
3)モノ(安易な省エネ設備への更新)に依存しないマインドの醸成ができます

鎌倉投信さんが、「リターン=お金」ではないということをアピールするには、大変な覚悟がいっただろうと推察致します。
これから、1)に加え、2)&3)を前面に出してご説明しようかと思いました。

IMG_20170403_111748

IMG_20170403_111801

省エネ診断に国が補助金を付けるのは良いことか?

地球温暖化対策のため、国は「無料省エネ診断」の補助金を出しています。
それにより、社会に「省エネ診断は無料」のマインドが醸成されています。

そうした背景から、
省エネ診断がビジネスとして成り立たず、
ビジネスとして成り立たないのでリタイアした技術者の小遣い稼ぎの場に留まり、
お客様との真剣勝負や他社との競争を通しての切磋琢磨がなされず、
サービス向上への飽くなき追求が生まれにくくなっています。

 

省エネ診断に国が補助金を付けるのは良いことか?

「省エネ診断は無料」が常識

CO2削減ポテンシャル診断という国の補助金をお客様にご紹介した。
10件ほどの省エネ対策を策定して80ページほどの報告書で提案する。
省エネ診断の実費が100万円を上限として全額補助されるというスキーム。
しかし、当然ながら消費税分は補助されない。
そこで先方から出た言葉が「消費税分は『損』をする」
提供する診断結果には消費税分(最大でも8万円)の価値すらも無いと思われているのか?と、ショックな言葉でした。
世の中には、省エネルギーセンターや地方自治体が提供する「無料省エネ診断」があり、「省エネ診断は無料」が常識化しています。
2時間ほどの現場ウォークスルーとお客様から入手した資料から頭だけで考えた「無料省エネ診断」の削減案と、実際のエネルギー使用状況を計測し、実データに基づく分析から得られた削減案は、中味が違うのですが、お客様には、それは解らないので「無料」が良いとなってしまう。

エネルギー地産地消のもうひとつの意味

昨日、慶応義塾大学・経済学部の金子勝教授の講演を聞いて、地元でエネルギーを作って地元で使うということの大事さを、今まで理解していた意味を超えて大事であると認識致しました。

それは、近い将来にお金が紙屑になる日もやって来うるということ。
今まで、エネルギーの地産地消は、燃料代として海外に出て行くお金を地元で回すことの意味でしか捉えていませんでした(それでも十分に大事ですが)。
しかし、お金が紙屑になる日へのリスク管理として本当に大事。それは食べ物も同じで、エネルギーと食べ物があれば何とか生きてゆける。
今まで、再エネの事は他人事で、自分の果たすべき役割は省エネと思っていたのだけれど、考えなければいけないと思いました。

「絵に描いた餅」ではなく「食べられる餅」をご提供する

弊社の目的のひとつは、今巷にある「省エネ診断」とは異なる省エネ・サービスを提供したいことです。

現有の「省エネ診断」は、ある前提や仮定を基に計算上で省エネ効果を算出し提案するという手法です。
一例を挙げると、各地域の年間の気温変動データを基に空調負荷を想定し、既存の空調機を高効率空調機に更新したらどれだけの省エネになるか試算して提案しています。

気象庁のデータを用いて、あたかも根拠があるように見えるのですが、これでは、個別の立地条件や各建物の断熱の状況、既存の空調設備の劣化状況や負荷状況について全くの無視です。

冷凍食品のショーケースの更新について既存設備の能力に対して同等能力で高効率機に更新したらどれだけ省エネになるかという試算書を見ながら、ある省エネの専門家なる方に、「現状の負荷状況がどうであるかを実測しないで評価なんてできないのではないですか?」と聞いたことがありますが、「元々の能力計算が不適切とは言えないから良いのだ」とのお返事でした。

でも、古い(20年物の)ショーケースなのですから、扱う冷凍食品自体も変わっているでしょうし、使い方なども当時の設計条件から変化しているでしょうし、劣化も進んでいるでしょうから、現状の負荷状況を実測もしないでよくそんなことが言えるものだと思いました。
「机上の計算」「空理空論」での「絵に描いた餅」ではなく、「食べられる餅」をご提供するのが、自分がやっている省エネ・サービスの目的のひとつです。

「人任せ」にしないこと

昨晩のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」
https://www.shoene-portal.jp/

写真は、リノベーションをされている大島芳彦さんが、お客さんである不動産オーナーから「任せたよ」と言われて喜んで仕事を完成させたけれど、数年経ったら元の状態に戻ってしまった。お客さん自身が当事者にならないと駄目であると語っている場面です。

小職がやっている省エネ・サービスも同じ。
省エネ対策というと、LEDや高効率空調機などの省エネ機器の導入が中心で、省エネ・サービスの会社や省エネ機器のメーカーにお任せになりがち。
でも、そのような「人任せ」をやっている企業ほど後後の設備管理やメンテナンスをやっていないところが多く、せっかくの高効率機器も本来の性能を発揮できずに無駄の多い運転をしていることが多々見られます。
弊社では、運用改善の省エネ対策を中心に行っています。
運用改善での省エネは、省エネ・サービスの会社に丸投げすればできることではなく、お客様自身も手間暇がかかります。手間暇がかかることを嫌がるお客様は多いですが、その手間暇を通して設備の機能や使い方を学べ、それが強みに変わってゆくものと考えます。

「変えるのは、建物でなくマインド」
本当にそうだなあ~と思います。

16114767_1237174443030002_7602092715468490676_n

無料省エネ診断への疑問

国の補助金で省エネ診断を無料で受けられる仕組みが幾つかあります。
https://www.shoene-portal.jp/

その幾つかに診断機関として仕事をさせて戴き感謝なのですが、無料省エネ診断を受けられる仕組みに疑問も持っています。
その疑問が何処から来ているのかを自分なり探りますと、次の3点があります。

1)今まで、国の政策に依存するマインドを持っていたから、誰かが何処かでどんなやり方で作ったに無関心で電気を使ってきて、最終的に起きてしまったのが福島原発事故だと思っています。
再エネでの地産地消は、地方や個人が誰かに頼らず自律して行動することに大きな意味があると思っております。
「国の補助金に頼ること」は、従来の「依存体質」の延長です。

2)受診事業者に、「タダだからやっている」との意識があって、本気でエネルギーを削減したいとは思っていないと感じられることが多いです。本気でない経営者のところでは成果も生まれません。

3)診断者が真剣勝負をしているかという問題。
有償であれば、それに見合う成果を出さないとお金になりません。
受診事業者を訪問して省エネ診断報告書を書けば、診断者にはお金が入りますから、成果を出すことに対しての貪欲さを失う可能性を包含しています。

省エネの成果は、2)受診事業者と3)診断者との共働で生み出されるものですが、有償であるからこそ、受診事業者は投資を回収しようとなり、診断者はお金の取れるサービスを提供しようとなって、その真剣勝負の取り組みの中から、実効ある省エネの成果が生み出されると考えます。

最初は、国が援助するのも良いかもしれませんが、いつまでも続けるものではないと思います。

必要ない資格を取得する

省エネ・サービスの生業を始めてから、電気工事に関する資格(電気工事士、認定電気工事従事認定)を取得しました。
でも、弊社のビジネスは、エネルギー管理士の資格は業務遂行のために必要でも、電気工事をやるわけではありませんので、本当は電気工事に関する資格は必要ありません。

弊社のビジネスは、電力の使用状況を計測するためにキュービクルや制御盤や分電盤に電力計測機器を一時的に設置するのですが、それは一般の電気工事には当たりません。

しかし、キュービクルや制御盤や分電盤の扉を開けて作業をしていると、一般のお客様から見たら電気工事をやっているかのように見えますので、「この人、電気工事の資格を持ってるのかしら?」との不信感や不安感を払拭するためと、問われた時に「この作業は電気工事には該当しませんで、・・・」といちいちご説明するのも面倒臭いので、電気工事に関する資格を取得しました。